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ファイナンシャルマガジン米田隆インタビュー
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バランスシート・リッチという生き方を選ぼう

−個人は日本の経済構造の変化に対応する能力を高めなければならないというお話ですが、そのために必要なことはなんですか?

インカム・リッチではなく、バランスシート・リッチになるという生き方を選択することです。そうしないと、30代半ばや40代半ばに訪れるキャリア移行時の収入不足・フロー不足をどのように補うのか、老後の長く生き延びた時の不足資金をどのように還流するかという、2つのキャッシュフロー不足というリスクをカバーできません。

いずれも、生命保険では対応しにくい問題です。資産運用をやることでリスクをヘッジしていかなければならないのです。

−バランスシート・リッチとは何か、ご説明いただけますか。

バランスシート・リッチというのは、将来に長く生き延びるという長期的なリスクと短期的なキャリアのリスクのどちらにも十分対応できる金融資産を持っていて、いわばその金融資産を削りながら、必要なときに必要なお金が払えないといったフロー不足に対応することです。

インカム(所得)ではなく、成長する資産を基礎とした生き方なのです。それが私の言っているバランスシート・リッチです。 インカム・リッチの人は、所得を得るために生涯働き続けなければなりません。

ところが、働き続けられるという前提が安定的ではなくなっているのだから、そこに頼る生き方は変化への対応能力を高めてないでしょということです。悪いわけではないし、できるのであれば最高ですが、できるという保証がありますか?ないのであれば、インカムをコントロールしようとするよりも、バランスシートを着実に高めていくことの方が、人生のより良いコントロールになっていませんかということです。

“昨日の自分”と競争して、財務自立とキャリア自律を達成する

−短期的なキャリア・リスクとおっしゃいましたが、これはどういったものなのでしょうか。

たとえば30代の半ばとか40代の半ばとか、つまり働き始めて10年目や20年目ともなると、仕事を通じて自分が好きで得意なものが見えてくる瞬間があります。その時、十分な金融資産を持って財務的に自立していなければ、転職などによる短期的な収入減少に対応できません。

キャリア自律に近づくチャンスがあっても、それを掴むことができないのです。そういう人たちを私はたくさん見てきました。つまり、ストック性の金融資産を持っているか持っていないかで、老後問題だけでなく、その人のキャリアオプションまでが大きく変わってきてしまう時代なのです。

私は現在、LPL日本証券の会長ですが、慶応大学のキャリア・リソース・ラボラトリーの上席研究員でもあります。大学や企業研修でキャリア論を教えたり、講演などをしています。この活動を通して私が提案しているのは、「ファイナンシャル・プランニングとキャリア・プランニングを統合したトータルなライフ・プランニング」です。

別の言い方をすると、「財務自立と自律的なキャリア創造を両輪にした、変化により柔軟に対応できる生き方」の提唱です。

自立型社会では、財務自立とキャリア自律を同時に達成できた人からハッピーになっていきます。単に人との競争で生きるのではなく、昨日の自分と競争して、いかに自分らしく生きていくのかが大きなテーマになっていくのです。

−今、若い方たちの間にライフデザインに関する考え方は高まっていますか?

若いうちから考えておかないと大変だということですね。若い人たちは、親の世代とは違う時代に生きています。

経済が成熟化して人口は減り、国内市場も縮小していきます。そして、日本企業全体がグローバルな競争にさらされます。その中でコモディティ(均一的)なサービスを提供していては、“faster、better、cheaper(より速い、より良い、より安い)”となり、競争入札にさらされるビジネスになります。所得が上がりません。同時に、そこで働く我々自身の評価もfaster、better、cheaperとなり、競争入札にさらされるということです。それを避けるためには、自分が持っているユニークな資質というものをきちんと認めてくれる、分散された顧客を持っていないといけません。

運命を変える“タネ蒔き”をしよう

−心の持ち方次第で、人生が大きく変わってきてしまうのですね。

ええ。ただし、いい考え方を持っていても、それを行動に結びつけなければいけませんよ。

イギリスの作家ウィリアム・サッカレーの言葉に、『良い考えというタネを蒔いて、良い行動という収穫を得る。良い行動という種を蒔いて、良い習慣という成果を得る。良い習慣という種を蒔いて、良いキャラクター(人格)を手に入れる。良いキャラクターという種を蒔いて、運命を手に入れる』というのがあります。

考えを行動に移し、行動を習慣化し、習慣化することで人格を高める。そうしなければ、最終的には自分の運命は変わりません。

私が著書で書いている内容というのは、「あなたを精神的に自由にし、これからの変化の時代にしなやかに生きるためには、バランスシート・リッチになれ」ということです。

そのため、早い段階から意識的に、自分の収入から支出を差し引いた余剰資金をつくるようにしてください。そして、その資金は成長資産のチャンピョンである株式を中心に運用します。

変動性を分散させるためには、国際分散投資なども取り入れたアセット・アロケーションが必須となります。
 
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1981年4月 早稲田大学法学部卒業後、(株)日本興業銀行入行。国際資金部(外国為替ディーリング)に配属。

1983年6月、同行より米国フレッチャー法律外交大学院に企業派遣留学。(国際金融法務専攻)。又、米国ハーヴァード大学ロースクール(証券取引法・国際資源開発法で単位取得)にも在籍。

1985年8月、米国フレッチャー法律外交大学院修士号取得。帰国後、同行国際営業部第二部(在日外資系企業担当)に配属。本邦初のLBO(シモンズべッド)にSenior Loan担当者として携わる。1988年2月、同行企業審査部において国内外のM&A案件審査、金融業界審査・審査業務に従事。

1990年4月、同行プライベートバンキング推進部。海外不動産投資、海外事業継承・相続対策を担当。1991年12月、(株)日本興業銀行退職後、国際経営コンサルティング会社(株)グローバル・リンク・アソシエイツ(GLA)を設立、代表取締役に就任。国際戦略提携、新規事業投資、リスクファイナンス、ベンチャービジネス等戦略的財務分野で幅広く講演・コンサルティング活動に従事。

1996年6月、(株)グローバル・ベンチャー・キャピタルを共同設立パートナーとして設立。アーリーステージのベンチャービジネスに特化したベンチャーキャピタルファンドを運営。同社取締役に就任。

1999年4月、LPLファイナンシャル・サービス株式会社(日本LPL)を設立、代表取締役社長に就任。1999年11月、同社の証券業登録を機にエル・ピー・エル日本証券株式会社に名称変更。