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ファイナンシャルマガジン江村哲也インタビュー
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本田:最近では日本でビジネスをする際にも言えることだと思います。色々な考え方の人が増えてきて、昔のように画一的とまではいかないまでも、類似した教育を受けた人々によって培われたバックグラウンドが失われつつある。転職が当たり前になったように、今や労働に対する考え方も色々と出てきました。

江村:そうですね。僕自身、アメリカで色々な方に会いますが、心地良い人や成功するなって思う人は、よく考えてみると、変にアメリカンナイズしてアメリカ人っぽく振舞わない人。かつ、日本に固執しない人なんですよね。排他的ではなく、自分というものをしっかり持ちながら融合しているということが1つ重要な要素になりますね。

本田:変にアメリカナイズされようと演じていると軸がないというか、結局ぶれてしまっている印象ですよね。

江村:そう。それで「アメリカとは、かくあるものだ」みたいなことを鵜呑みにしてしまい、さも自分の価値観であるかのように振舞う。「アメリカという国は実際にそう言い切れるものなのか」。そして、「日本人である自分とは何者なのか」。表層の部分だけではなく、こうしたことを相対的に見たり、考えたりするという深さが必要なのだと思います。

本田:なるほど。これはおもしろい話ですね。そうした自身や環境の相対化も含めて、今の江村さんのベースになっているコアの部分やスキルを作り上げるためにされてきた自己投資や、発想法などがあればお話頂けますか?

江村:僕の場合、基本的に自分が怠け者だっていうのが前提なんです(笑)。

本田:僕もまったくそうです(笑)。

江村:これが大前提のことであるががゆえに、僕は、自分を追い込まないと駄目なんです。敢えて追い込む環境や意識を常に持っていないと、怠惰な生活をしてしまうことが目に見えているので、「追い込む」という意識はこれまでずっと持ち続けてきました。

僕は「仕事」とは、自分の無限の可能性を試すことであると思っています。だからこそ、自分の自覚している力というのは、本当の力の七掛けか八掛けなんじゃないかといつも考えます。経験のないことは、やれるわけがないと思うのが当然ですが、実際には、やれる力が潜在的に備わっているということが経験的にも、結構あると感じています。

だからこそ、僕は自分ができないかもしれないと思うことを、敢えて「僕がやります」、「やらせてくださいっ」と言う癖をつけてきました。これはずっと習慣としてやり続けてきたことです。

僕は別に頭が良くて、優秀な学校を出たわけでもありませんし、ましてお金持ちの家に育ったわけでもありません。だからこそ、自分の社会的な位置が上がろうが下がろうが、「ゼロに戻っても怖くない。なぜなら、もともとゼロなんだから」という気持ちを常に意識的に持ってきました。そうした気持ちを持ち、思いっきりチャレンジしていくっていうのが僕のスタイルだと思っています。

本田:捨てる物なんて何もないと思いこんでしまって、体が動くようにすると。

江村:そうです。そう思いこんで実際にやってみたら、やっぱりできたっていうことを積み重ねていけば、7掛け・8掛けではなく、100%の努力ができます。ところが、何も意識しなかったら、8掛けの仕事が続くようになって、5年・10年経ては大変な差がついてくるのです。

本田:そういう意味で言うと、今までのお話や、今やっていることを聞いても、江村さん自身、相当なチャレンジをしていますよね。自分を追い込み続けている。

でも、僕が江村さんに思うのは、何て言うか、追い込んできる人特有の悲壮感が全くない。むしろハッピーな感じという印象です。これは、自分を追い込むことを楽しんでいることの表れということでしょうか?

江村:そうですね。僕は、自分が本当にたいした才能を持ってないと自覚していて、さらに、怠け者であると思っているんですね。ただ、一度しかない人生だから、格好良く生きたいと思うんです。

では、格好良い人生って何だろうと考えると、やはりチャレンジし続けている人、かつメインストリームに居続ける人だと思うんです。だからこそ、そういう状態に自分を置いておきたいなと思うので、自分を追い込むということですね。

本田:一流を目指し続けるが故に、自分を追い込むということですね。

江村:そうですね。僕は一流の人間とは、ゴルフで言うと、18ホールを回る際に、同じようなタイミングでショットを打ち、同じペースでホールを回り、同じ表情で居続けられる人を指すのだと思うんです。だからこそ、いざとなった時に人間は試されると思っていますし、いざという時でも変わらぬ自分でいたいんです。

言葉を換えれば、どんな人と会う時でも、それが偉い人だろうが、若い人だろうが、変わらないスタンスで話しかける。これが一流ということですね。そう言う意識がありますから、僕はいつも変わらず、そして、誰と会っても変わらない自分でいたいなと思っているのです。

本田:なるほど、本当にそうですね。僕自身、江村さんとお付き合いさせて頂く中でも、江村さんが人によって態度を変えたところを見たことがありません。

江村:それは、なるべくなくそうと自分で努力はしているからでしょうね。
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ワタミに創業メンバーとして参画。専務取締役COOをつとめた後
2004年ハワイでDream Dining Corporationを起業。現在全米でカジュアルジャパニーズレストランを3店舗経営し、2015年までに全米50店舗の展開を図る。