株式会社スタートトゥデイ 前澤友作

投稿者:ファイナンシャルマガジン編集部  2008年04月10日 インタビュー | 経営者

 


第1回目となる「上場企業経営者インタビュー」。 インタビュアーには、55万部を超えるベストセラー「レバレッジ」シリーズの著者であり、レバレッジコンサルティング株式会社 代表取締役社長兼CEO 本田直之氏を迎えます。新規上場を果たした前澤氏と本田氏とのビジネスや成功の秘訣を巡る読み応え満載の内容を、ぜひ一読ください!


 



本田:
今回のインタビューでは、私自身の会社経営・上場の経験や国内・国外での様々なビジネス経験を元に、一般的なライターや編集者と少し違う視点でお話をお伺いしたいと思います。

会社は生き物に例えられることが多いですが、実際に代表者のパーソナリティが数字以上に大きな要素を占めると思っています。今回のインタビューでは、前澤さんの魅力的なパーソナリティをお伝えし、スタートトゥデイの面白さについてお伝えできればと思います。

早速ですが、御社の事業内容をご説明いただけますか?

前澤:現在、インターネット上で、高感度な情報サービスや、ショッピングサービスを包括的に提供するインターネットサイト「ZOZORESORT」を運営しています。「ZOZORESORT」では、大きく6つのサービスを提供しています。

その1つが、当社の主力事業でもあるEC事業で、インターネット上のショッピングサイト「ZOZOTOWN」を運営しております。現在「ZOZOTOWN」では、92店舗680ブランドを取り扱っており、ユナイテッドアローズさんやビームスさんなどといった主要アパレルブランド様にもご出店いただいています。このEC事業が、現在全体の98.5%を占めており、前期で売上高6,068百万円、今期の売上高が8,269百万円と予想しております。商品取扱い高ベースだと、前期で11,223百万円となっております。

それ以外に、「ZOZORESIDENCE」という居住型ソーシャルネットワーキングサービス、全国の高感度なショップ情報を提供する検索ナビゲーションサイト「ZOZONAVI」や、ファッション業界における著名人やアーティストのブログを掲載する「ZOZOWALKER」、当社のCSR活動の一環であり、「ARIGATO」のメッセージをZOZORESORT上の掲示板に1分間掲載できるメッセージ配信サービス「ZOZOARIGATO」、そしてファッションに関する日常的なやり取りから、高度で専門的な内容のやり取りまでお客様同士の情報交換が可能な質問回答掲示板サービス「ZOZOQ&A」といった高感度な情報サービスを提供するサービスがあります。

本田:オンラインでアパレル商品を売ろうとする場合、ブランドイメージを直接的に打ち出せる個別のショップを連想する方が多いと思うのです。ところが、「ZOZOTOWN」の場合、これまでの概念と全く異なっていますね。なぜこうした形態を取ったのかという点に興味があるのですが、この点についてお話しいただけますか?

前澤:今から8年前の2000年から自分たちが好きだったストリート系のファッションブランドさんに声をかけ、オンライン上でアパレルを取扱うオリジナルセレクトショップ「EPROZE(イープローズ)」をオープンしました。

そこからこつこつとご参加いただけるブランドを増やしていき、多店舗化を加速させて、17店舗まで増やしました。ただ当時は、現在とは異なり、店舗ごとに別々のURL、ユーザーインターフェイス、ドメインを持った個別のサイトとして運営していました。着々と会員数も増え、お店もどんどん集まってきて、また同時に、お客様からカートや決済システムも一緒にできないかというご要望も強くなったんです。そのため、その17店を集めて街にしたのが、2004年12月にオープンした想像と創造の行き交う街「ZOZOTOWN」です。

そして、「ZOZOTOWN」を作り上げるのと同時に、ショップの見せ方には非常にこだわりました。サイト上の各ショップは、店舗によっては実際の建築家やインテリアデザイナーの方々に設計図を描いていただき制作を行ったり、コンピューターグラフィック(CG)を駆使し、ブランドさんの実在する店舗を再現するという行程を取っていきました。カッコ良さとユーザビリティーの絶妙なバランスをつくりだそうと努力しましたね。

本田:そうなんですか。Webではあるけれども、かなりリアルなところを意識していたということですね。

前澤:そうですね。実際の街が形成されていく過程も、1つ店舗ができ、そこから徐々に人や他店舗が集合していくという自然発生的な経過を踏まえると思うのですが、「ZOZOTOWN」も同様に自然の流れの中で生まれたものです。そんな僕らの取り組みを株式会社ユナイテッドアローズの重松(理・代表取締役会長)さんが注目してくださって、「うちも君たちに参加したいよ」と言っていただいたんです。それでユナイテッドアローズさんにも参加していただけることになりました。

本田:それは何年ぐらい前のことでしょうか?

前澤:3年前の2004年12月のことです。「ZOZOTOWN」のオープン時は17店舗でしたが、そこから3年経ち今では92店舗になりました。

本田:ユナイテッドアローズさんにはそれ以前からアプローチをしていたのでしょうか?

前澤:いえ、の方からは1度もアプローチしていません。そこまで広げていこうという発想があまりありませんでした。

本田:ということは、3年前の時点では上場を考えていなかったということでしょうか?



前澤:
当時は考えていませんでしたね。「ZOZOTOWN」ができあがりオープンして、スタッフみんなの頑張りやお取引先のご理解もあり、大きな数々のアパレルメーカー様メーカーさんから声がかかるようになって来た頃、僕らの街はもう僕らだけの街じゃなくてみんなの街になっていくべきだなと感じたとき、上場もあり得る道かもしれないと初めて思ったんです。

2年半前の話です。スタートトゥデイ設立のきっかけも、何となく自宅の片隅でやっていた個人事業が段々大きくなってきて、どんどんと
人が増えてきたから組織を作り、「ちゃんとした法人にしないといけないな」という感じで株式会社化して制度を整えたりと自然発生的な過程の中で生まれたんです。

これまで自然発生的に進展してきましたが、その中でも一貫性が崩れていないのは、好きなことをやっているから。そして自然体でコツコツとやってきたからだと考えています。

本田:自然にコツコツというのは非常に面白い視点ですね。私自身も多くの人を見てきて、無理にビジネスを立ち上げてもうまくはいかない。そうではなく、いろいろ考えながら「コツコツ」と積み重ねていく中で、世の中の動きの変化などによりチャンスを得ることができるのだと感じています。

ところで、いつでもどこでも自然体を貫くという前澤さんのスタイルは、性格的なものに由来しているのでしょうか?ご自身ではどのように考えられていますか?

前澤:僕は、元々バンドをやっていて、デモテープやCDを作っていました。それで「海外にも活動の幅を広げたい」という想いから、渡米したんですよ。その時、自分のデモテープを配ったり、売ったりするかたわらで、向こうのインディーズCDをいただいたり、買ったりして、日本に持ち帰りました。

それをバンドのメンバーや音楽仲間に分けているうちに、「そういうバンドをもっと紹介してよ」という声が広がったので、「米国で買い付けたり、輸入したものを広く販売してみよう」と始めたのが最初のきっかけで、自然とレコードのカタログ通販ビジネスが始まったんです。

本田:すごいですね。そういう経歴を持つ経営者はあまりいませんね。

前澤:あんまりいないのでよく珍しがられます。2001年まではミュージシャンをしながら会社も経営するという二足のわらじを履いていた状況でした。

しかし、さすがにメジャーデビューすると全国ツアーが入ったりと、会社を空けてしまうことが多くなっていきました。その反面、カタログ通販ビジネスがどんどん伸びていくんです。そうした中で、どちらかに専念しなければいけないタイミングが来て、「会社にしよう」と決めて以来、プロとしてのバンド活動は停止して、
会社に専念している状態です。

本田:2001年までということは、最近までバンドと平行して会社経営していたということですね。どのパートを担当していたのですか?

前澤:ドラム、ギター、ボーカルと色々やっていました。やってないのはベースだけになります。有名なライブハウスのほとんどでライブを行っています。

本田:バンド活動の中でも様々なパートを担いつつ、経営も行う。両立できるということは、バンド活動と経営には共通点があるということでしょうか?

前澤:曲作りや作詞にも、戦略や設計図があるのですが、こうした設計図を描き、それに基づいて部分部分を構成していくという発想が経営と類似しているように感じています。曲の戦略に基づき、リズムやテンポなどに落とす部分と盛り上げる部分を組み込んでいく。特に曲のテンポを形作るドラムというパートを担っていたことが良かったように思います。

また、幼少の頃、大工さんがすごい好きだったんです。設計図に基づき、一から始まって、完成まで組みあがっていく姿を見るのが大好きでした。ドラムや曲づくりも同じ感性なのだと感じています。いざ経営に携わってみたら、入口と出口がある中で、どうやってその中身の部分の仕組みを作
り上げていくかという発想がまさしく似ていると感じたわけです。

 



1998年、現代表の前澤友作が輸入レコードのカタログ販売法人「スタートトゥデイ」を設立。同時期、前澤友作はバンドでメジャーデビューを果たすもビジネスの“想像”と“創造”に魅了され、バンド活動は休止し会社経営に専念。
2000年、「社長が欲しい、社員が欲しい、売って楽しい」をコンセプトに、次々と個性的なオンラインショップをオープン。その集積として “想像”と“創造”の行き交う街「ZOZOTOWN」を開設。
2006年、「ZOZOTOWER」「ZOZORESIDENCE」、2007年からは、「ZOZONAVI」「ZOZOARIGATO」「ZOZOWALKER」をスタートさせ、同年10月より新たに「ZOZOQ&A」を加え、これら全サービスを統合した想像と創造のオンラインリゾート「ZOZORESORT」を開設。そして日々、お客様に喜んでいただけるサービスを想像し創造しています。


シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQへの上場に導く。 現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。日本ファイナンシャルアカデミー取締役、コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング取締役、米国Global Vision Technology社取締役を兼務。 東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで過ごす。 著書に、53万部を超えるベストセラーシリーズとなった、『レバレッジ・リーディング』『レバレッジ・シンキング』(共に東洋経済新報社)、『レバレッジ時間術』(幻冬舎新書)、『レバレッジ勉強法』(大和書房)、『レバレッジ人脈術』(ダイヤモンド社)、 訳書に『パーソナルブランディング』(東洋経済新報社)がある。 
サンダーバード国際経営大学院経営学修士(MBA)
明治大学商学部産業経営学科卒
(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
世界遺産アカデミー正会員 

 

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