SBIホールディングス株式会社 北尾吉孝
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1つは、魚と一緒で頭からしっぽまで全部食べれないと認識する。つまり、「欲をかきすぎない」ということです。もうちょっと上がるだろうと欲を出すから、売るべきタイミングを逃してしまうのです。 私がアドバイザーをしていた頃は、ある程度の利益が確定した段階で次の銘柄に移ることを勧めていました。その銘柄がさらに上がる確率と新たに探した銘柄とを比べ、どちらが上がる確率が高いか。そして、どちらの方がキャピタルゲインをより大きく取れるかを比較していたわけです。ですから、私は勝ったところでスパッとやめてしまいますね。 ブラックジャックのようなギャンブルなどを観察していて思うのですが、勝ってさらに資金を追加して継続する人は、最終的に大きく負けてしまうことが多いのではないでしょうか。つまり、投資でもギャンブルでも「固執しない」ということが重要なのです。 |
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ファンダメンタルズが良いのになぜか株価が下がっていく。こうした状況の時、ナンピンするという方法もあります。ただ、余程ファンダメンタルズに自信がなければ難しい。さらに、マーケット全体が下がっているのであれば、どれだけその銘柄のファンダメンタルズが良くても相場の波に飲み込まれてしまうということも考えられます。ですから、こういう状況では、「全体の相場観」を見ることが必要なのです。こういう状況のときは、どれほどファンダメンタルズが良い銘柄でも下がる可能性が高いですから、しばらくは様子を見る、「休む」ということも選択肢の一つとして考える必要が出てきます。 例えば、サブプライム問題で先行き不透明な昨今、安易に様々な情報に流されてしまうのではなく、マクロ的な視点から、改善が見えるまで「休む」というのも賢い方法ですね。消費にどれだけの影響を与えるのか、2~3ヶ月から半年くらい見ていく必要があります。 「欲をかきすぎない」、そして「1つのものに固執しすぎない」、「相場の全体観を捉える」、「時には休む」ということが結果を出すために必要な発想法だと思います。これは損失を出してしまった時にも言えることです。 ―常に投資しているというのではなく、買うべき時期と様子を見るべき時期を見分けるということでしょうか? そうですね。そのために、マクロ、セミマクロはやはりきちんと見ないといけませんね。また、昨今の経済のグローバル化の進展も押さえるべき要素だと思います。例えば、アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪を引くどころか、肺炎になってしまったという事態が起こりました。この事態に対して、中国や香港のマーケットはアメリカの市場に連動せず、結構強い。新興市場、特に1兆3000億ドル以上外貨を貯め込んでいる中国では、キャッシュの流動性が非常に高いですし、ベトナムも同様ですが、外国人投資家の参入が少ない市場では、あまり大きな影響を受けていません。 先ほど述べた投資で成果を出すための観点にもつながりますが、マーケットごとの特色と言いますか、「マーケットの質」を捉えることが重要ですね。 グローバルな影響まで含めて投資判断をしていくというのであれば、日本というのはアメリカのくしゃみで風邪や肺炎を引き起こす国ですから、アメリカの動向を見る必要性が当然生まれてきます。 現在、日本はデフレ局面から完全に脱しきらず、まだ体力が完全に回復していないわけですね。ですから、今回の余波を受け、消費の本格的回復の兆しは見えていません。金利も上げられなくなりました。こうした状況があるため、アメリカの影響をより一層受けてしまうわけですね。 |
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| 1951年、兵庫県生まれ。74年、慶應義塾大学経済学部卒業。同年、野村證券入社。78年、英国ケンブリッジ大学経済学部卒業。89年、ワッサースタイン・ペレラ・インターナショナル社(ロンドン)常務取締役。91年、野村企業情報取締役。92年、野村證券事業法人三部長。95年、孫正義氏の招聘によりソフトバンク入社、常務取締役に就任。 現在、ベンチャーキャピタルのSBIインベストメント、オンライン総合証券のSBIイー・トレード証券、住宅ローンのSBIモーゲージ等の革新的な事業会社を傘下に有し、金融、不動産、生活関連サービスなどの事業を幅広く展開する総合企業グループ、SBIホールディングス代表取締役執行役員CEO。 著書に『中国古典からもらった「不思議な力」』(三笠書房)、『進化し続ける経営』『Eファイナンスの挑戦』(東洋経済新報社)、『人物をつくる』『不変の経営・成長の経営』(以上、PHP研究所、『何のために働くのか』(致知出版社)などがある。 |
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